平成25年から適用となる改正について
第108号
あけましておめでとうございます。昨年末には、解散総選挙があり、税制改正は今年に持ち越しとなりました。新年最初のみすのレポートは、平成25年から適用となる主なものを取り上げてみたいと思います。
平成25年から適用となる改正について
(1)給与所得控除の改正(所得税)
給与等の収入金額が1,500万円を超える場合の給与所得控除額について、245万円の上限が設けられました。
下記の通り比較してみますと、2,000万円の場合は約11万円の増額、3,000万円の場合は約37万円の増額になります。
【所得税・住民税合計額の比較】
給与収入 改正前 改正後
2,000万円 約573万円 約584万円
3,000万円 約1,041万円 約1,078万円
(注:基礎控除38万円のみ、復興特別所得税は除外)
(2)退職所得課税の改正(所得税)
平成25年1月1日以後に支払われる勤続年数5年以内の会社役員等の退職手当にかかる、2分の1課税が廃止されました。退職金額によっては、この2分の1課税の廃止の影響が大きくなりますので、会社役員の方は、退職するまでの勤続年数にご注意下さい。
(3)国外財産調査制度の創設(所得税)
各年の12月31日に価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する場合には、その種類、数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を、その年の翌年3月15日までに、所轄税務署長に提出しなければなりません。この改正は、平成26年1月1日以後に提出すべき国外財産調書について適用されますので、平成25年12月31日に有する財産から対象になります。
(4)復興特別所得税及び復興特別法人税の創設
東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法が創設されました。これにより、所得税については、平成25年から平成49年までの各年分の確定申告について、所得税及び復興特別所得税(所得税に2.1%乗じた金額)を併せて申告・納付することになります。 また、法人税につきましては、平成24年4月1日から平成27年3月31日までの期間に最初に開始する事業年度から以後3年を経過する日までの事業年度に、10%付加されます。但し、法人税率の引下げが平成24年4月1日より適用されていますので、中小法人の場合、30%→28.05%(所得年800万円超)、18%→16.5%(所得年800万円以下)となり、実質減税となります。
(5)事業者免税点制度の適用の見直し(消費税)
当課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下であっても、当課税期間の前年の1月1日(法人の場合は前事業年度開始の日)から6か月間の課税売上高が1,000万円を超えた場合、当課税期間においては課税事業者になりますのでご注意下さい。なお、課税売上高に代えて、給与等支払額の合計額により判定することもできます。
なお、6か月間の判定期間は、平成24年1月1日から始まっています。
(6)住宅取得等資金の贈与の非課税(贈与税)
贈与年 省エネ性又は耐震性を満たす住宅 左記以外の住宅
平成24年 1,500万円 1,000万円
平成25年 1,200万円 700万円
平成26年 1,000万円 500万円
なお、平成24年分からは、床面積の上限(240㎡以下)が付されていますのでご注意下さい。
相続税の増税が予想され、銀行等が低金利で住宅ローンに取り組んでいるこの時期に、相続対策として、一度検討してみる価値はあるのではないでしょうか。
(7)終わりに
平成25年の税制改正はこれからですが、今後も動向を見守っていく必要があります。