平成25年からの復興増税(復興特別所得税)

第106号

平成23年11月に法案が成立したいわゆる復興増税の実施時期が近付いてきました。所得税については平成25年から49年までの25年間にわたり復興特別所得税が課されることとなります。そこで今回は復興特別所得税の概要と来年1月からの源泉徴収税額を中心にまとめました。

 

平成25年からの復興増税(復興特別所得税)
(1)概要 

[期間] 平成25年~平成49年(25年間)

[税額] 所得税額×2.1%

※税率が2.1%上がるのではなく、所得税額の2.1%分税金が増えます。

[影響] 確定申告、年末調整、源泉徴収(給与、利子、配当、報酬、退職、上場株式の譲渡益など)

※源泉所得税と復興特別所得税はまとめて源泉徴収され、今まで使用している納付書で納付します。

[家計の増税負担額] 政府試算より

年収   夫婦子2人  夫婦子1人    単身者

400万円     900円    1,600円   2,000円

600万円    2,700円    4,000円   4,800円

800万円    7,000円    9,700円   11,300円

1,000万円   14,000円    16,600円   18,200円

2,000万円   70,100円    74,500円   77,100円

<試算前提条件>

夫婦子2人:子1人は特定扶養親族、1人は16歳未満

夫婦子1人:子1人は16歳未満

 

(2)確定申告 

平成25年分の確定申告(平成26年3月15日申告期限)から所得税額に対し2.1%の復興特別所得税が課されます。

 

(3)給与に対する源泉徴収税額 

平成25年1月1日以降に支給日が到来する給与につ

いて復興特別所得税が適用になります。

例1:12/15〆 12/25支給日

→資金繰りの都合等で支払が翌年になっても

復興特別所得税適用なし。

例2:12/25〆 1/5支給日

→復興特別所得税適用あり。

なお、各種給与ソフトをご利用の方は復興増税に対応

しているか今年中にご確認ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

また、源泉徴収税額表をご利用の方は必ず平成25年分をご利用ください。

(4)年末調整 

平成25年分の年調年税額は復興特別所得税を考慮し、例年の年税額×102.1%(百円未満切捨て)となります。

なお、月々の給与から復興特別所得税を考慮して源泉徴収されるため、年末調整時に大きな差額が出るわけではありません。

 

(5)報酬に対する源泉徴収税率 

平成24年まで  平成25年から

100万円以下    10%      10.21%

100万円超     20%      20.42%

 

(6)退職金に対する源泉徴収税額 

①退職所得の受給に関する申告書の提出あり

平成24年までの源泉徴収税額×102.1%

②退職所得の受給に関する申告書の提出なし

支給額×20.42%

 

(7)利子(預貯金、公社債)に対する源泉徴収税率 

平成24年まで  平成25年から

所得税      15%       15%

復興特別所得税  -       0.315%(15%×2.1%)

住民税       5%              5%

合 計           20%         20.315%

 

(8)上場株式の配当、譲渡益に対する源泉徴収税率

平成24年まで  平成25年から

所得税       7%        7%

復興特別所得税  -       0.147%(7%×2.1%)

住民税       3%               3%

合 計           10%          10.147%

 

最新のレポート
スキャナ保存制度の見直しについて
民泊サービスに係る所得税及び消費税の取り扱い
空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例
「特別支配株主の株式等売渡請求」制度
中小企業の個人保証 ~経営者保証に依存しない融資へ~
「領収証」等に貼る印紙の取り扱いの緩和について
ゴルフ会員権の譲渡損失の損益通算廃止
上場株式等の今後の課税
給与を上げて税金を減らす!?
小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例