e-Taxの利用状況は?

2010年分所得税等の確定申告では、所得税の申告書提出件数が2,315万件で2年連続の減少となったものの、過去最高だった2008年からは3.3%下回るに過ぎない。

こうした2千万人を超える納税者数への対応として国税庁は、確定申告の基本方針として「自書申告」を推進しており、そのためのIT(情報技術)を活用した施策に積極的に取り組んでいる。

国税庁のホームページ上で申告書が作成できる「確定申告書等作成コーナー」やe-Tax(国税電子申告・納税システム)など、ITを利用した所得税の確定申告書の提出人員は全体で1,039万6千人にのぼり、2009年分より8.3%増加した。所得税の確定申告書の提出人員(2,315万人)に占める割合は44.9%にまで上昇している。

2007年分からは、税務署に訪れる納税者に対してもe-Taxが利用できるよう相談会場にパソコンを設置したことが、IT利用をさらに促進した。署でのIT利用は、署のパソコンで申告書を作成して「e-Tax」が457万5千人、同「書面での提出」が38万1千人の計495万7千人と前年度に比べ6.4%増となった。

一方、e-Taxは、添付書類の提出省略や書面提出に比べ還付金を早期還付等のメリットを積極的に広報するなどの普及拡大に努めた結果、所得税の申告件数が、前年の707万9千件から774万7千件へと9.4%の増加となった。これは、所得税の確定申告書の提出人員の3人に1人がe-Taxを利用したことになる。