土地価格-一物四価のなぞに迫る?

第9号

 国土交通省より2001年公示地価が発表されました。土地の価格は都心部の一部を除きまだまだ下落傾向です。全国平均で前年比、住宅地4.2%、商業地7.5%の下落となりました。
 ところで、土地の価格は一物四価と言われるように、一筆の土地に対して4つの価格があると言われています。今回はこの4つの価格の違いについてご説明しましょう。
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1.「時価」・・・一般の取引相場です。不動産鑑定士による鑑定評価でいう取引事例価格。
2.「公示価格(公示地価)」・・・国土交通省が設定。2001年地価公示では2485人の不動産鑑定士が全国約31,000地点の評価にあたりました。この価格は、一般の土地売買の目安とされ、公的機関が公共用地を取得する際の売買基準価格ともなっています。毎年1月1日現在の価格を3月下旬に発表。これと似たものに各都道府県が設定する「基準地価」があり、公示価格を補う役割をしています。7月1日現在の価格を9月中旬に発表します。
3.「相続税評価額(路線価)」・・・国税庁が設定。この価格は、相続税・贈与税の課税標準となる価格です。また、路線価が設定されていない地域については倍率方式により評価する事とされていて、固定資産税評価額に地域ごとに定められた倍率を乗じて算出します。現在、宅地の路線価については公示価格の約8割程度の水準で設定されています。毎年1月1日現在の価格を8月上旬に発表。
4.「固定資産税評価額」・・・総務大臣の定める固定資産評価基準をもとに各市区町村が設定。全国で1億7,000万筆あるといわれている土地1筆ごとに価格が設定され、固定資産税・不動産取得税等の課税に使用されます。現在、宅地の評価については公示価格の約7割程度の設定となっています。この価格は3年に1度見直し(評価替え)され、前回は平成12年度(次回は平成15年度)に行われました。

 次回、第10号では「どこまで下がる土地価格」をテーマに4月10日発行予定です。

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